■DVは何故やっかいなのか?何故、闇に潜んでしまうのか。
1.加害者が社会的にはまともであるケース
家庭内暴力をふるうからといって、その人が社会や企業の中でも問題視されるような人物とは限りません。社会の中では非常に温厚で仕事熱心で非の打ち所のない人物が、家庭内でだけ豹変する、というのがDV問題でよく見られるケースです。このため、被害者側が「周囲に説明できない」と引き下がってしまう事例が多くあります。
2.近親者ならではの複雑な「情」
「暴力は私のことを愛しているからこそ」「いいところもあるのだから」など、加害者を認めたいという人間感情が、たびたび暴力を受けても我慢をしてしまう原因になっています。
3.「一時的に優しさを見せる」加害者
これもDVの事例で多いのですが、ひどい暴力をふるったあと、加害者が一時的に優しくなり「自分が悪かった」「大丈夫か?」などのいたわりの言葉をかけてくることがあります。しかしながら、この暴力→優しさの繰り返しの中で、周囲や警察に助けを求めるタイミングを逸してしまうのです。
4.経済的、社会的理由で決断に踏み出せない
配偶者と別れると経済的に生きていけない、社会的な人間関係に問題が生じるなどの理由で、決断できないケースがあります。特に、専業主婦の女性が被害者の場合に多いです。
5.子どもの問題
被害が子どもに及ぶことを恐れて、行動できないケース。
6.恐怖心、無力感
「逃げたら殺されるかも」「もう何もできない、誰にもわかってもらえない」など、暴力を受けたことによる精神的ダメージで、去れるがままに成ってしまう状態。
■DVを受けたときの対策について
1.一旦、冷静に「DV被害」であるかどうかを判断する。
夫婦間や恋人間の問題は特に、固有の関係性や感情が絡む問題ですから、「絶対にこうである」という明確な判断基準がありません。自分にも多少の非がある夫婦喧嘩の延長なのか、あきらかに理不尽な暴力であるか、もう一度冷静に考えましょう。これは、周囲や警察への助けを安易に求めるな、という意味ではありません。その後、もし警察での相談や裁判において状況を話すときにも、冷静に客観的な判断基準を示すことがとても重要だからです。
2.一時的に避難する
身の危険を感じるような暴力の状況に陥ったとき、また子どもへの影響が懸念されるような場合には、一旦、その場を離れましょう。両親や親類、友人宅に相談するか、相談しにくい、つてがないなどの場合は、各行政に設置されている「配偶者暴力相談支援機関」(行政によって機関や名称は違います)に相談をすれば、民間シェルターなどに一時避難を依頼することができます。ここで、判断のタイミングを誤ると取り返しのつかないことになる可能性もありますから、勇気を持って決断をしてください。
3.警察、支援センターなどに相談する
2の<避難>とのタイミングは前後することもあるかもしれませんが、DVに関する相談については、身に迫る危険度が高いと判断した場合は、まず警察です。警察は「DV法」などの法律に基づいて、加害者に警告する権限及び、検挙する権限を持っています。この権限は支援機関や民間センターなどにはありませんから、「家族のことを警察に相談するなんて」という心理的な迷いや負担はあることと思いますが、緊急度によっては勇気を持って警察に出向いてください。DVかどうかの判断も含めて迷いがあるときは、行政に置かれている支援機関や民間NPOなどに一旦相談してみる方法もあります。
http://www.gender.go.jp/e-vaw/soudankikan/index.html
4.裁判所に申し立てる
裁判所は、加害者から被害者を守るための「保護命令」や「接近禁止命令」などを下す権限を持っています。管轄の地方裁判所に被害の状況等を書いた申し立て書を提出します。申し立てには費用や添付書類が必要になるので、不明な点は事前に問い合わせてみてください。